はじめに
今日は、これまであまり人に話してこなかった話を書こうと思います。
第一子を妊娠していたとき、そして育休から復帰したとき。どちらも、上司から言われた一言がきっかけで、私は「この職場で働き続ける」ということの意味を、自分なりに考え直すことになりました。
他人は変えられない。
環境も変えられない。
それでも私は、今もこの職場で同じ人たちに囲まれて仕事をしています。
なぜそうなったかを、正直に書いておこうと思います。
悪阻の中、呼び出された日
第一子を妊娠していたとき、私は重症悪阻と診断され、1週間仕事を休ませてもらいました。
もちろん1週間で治ったわけではありません。
これ以上休めない、迷惑はかけられない。出勤はしていたものの、正直、満員電車に揺られて出勤するだけで体力を消耗し、出勤後はとりあえずPCの前に座っているだけで精一杯。
それ以上のことは、正直できる状態ではありませんでした。
そんなある日、急に呼び出されました。
「仕事していないじゃないか。これでは雇った時と話が違う。他の頑張ってる人に示しがつかない。自分も子育てしてきたが、こんな人初めて見た」
その場で、私は何も言い返せませんでした。
ただ、「この人は、何も理解していないし、理解しようとしてくれていないんだな」ということだけが、はっきりわかりました。
悔しさや怒りを通り越して、涙しか出ませんでした。
それでも、辞めるという選択はしなかった
辞めるという道もあったと思います。
むしろ、あの時は「こんな上司のもとで働けない!辞めてやる!」と思ってました。
それでも私は、最終的にこの職場に残ることを選びました。というより、その覚悟を決めました。
その理由をきれいな言葉で説明できるほど、当時の自分は冷静ではなかったと思います。
ただ、ここで辞めてしまったら、悪阻で1週間休んだことも、デスクワークだけでも必死にこなしていたあの日々も、そしてこのブラックな医療業界の中で女性が踠きながら働いていることさえもなかったことにされてしまう気がしたんです。
「だから女性は、、、」
と言われたくなかった。
女性を理由に、妊娠を理由に、軽蔑されたくなかった、いうのが、いちばん近い気持ちかもしれません。
育休が明けて、また同じ壁に
私は逃げるように、そそくさと産休入りをしました。とにかく、職場から物理的な距離を取りたかった。なんなら、そのまま辞職して、フェードアウトしようとも思っていましたが、出産・育休を経て、私は元いた職場に復帰しました。
復帰してからも、案の定、子供は頻繁に熱を出したり、体調を崩したりしました。
そのたびに「今日、お休みさせていただきます」と伝えるのが、なかなか言い出せませんでした。
それでも、体調の悪い子供を置いて出勤するわけにはいきません。
心を決めて電話をかけても、返ってくるのは「はい、はい」という言葉だけで、そのままプツッと切られる。そんなやり取りが続きました。
ある時、こう言われたこともあります。
「私も子育ての経験ありますが、そんなに体調不良になるんですか、あなたのお子さんは」
私は「私も育児が初めてなのでわかりませんが」と前置きしたうえで、小児科の先生に言われたことを伝えました。
「保育園に通い始めて1年間はこんなもんだから、登竜門だから」と。
「1年くらい経てば、あまり発熱とか体調不良とか起こさなくなるらしいんですけど……休みが多く、申し訳ありません」と。
小児科の先生の言葉は、私を安心させてくれた言葉だったのに反して、
返ってきたのは、こんな捨て台詞でした。
「お子さんを持ちながら働くって、そういうことなんじゃないんですか?」
突き放された言葉が、覚悟に変わった
不思議なことに、私はこの捨て台詞で、覚悟が決まった感じがしたんです。
理解してくれたわけでは、決してありません。突き放すように言われた言葉でした。それでも、その言葉をそのまま自分の中で置き換えたとき、こう思えたんです。
子供を育てながら働くというのは、こういう状況を、自分で引き受けて、乗り越えていくことなんだ。
上司が変わってくれることを待つのではなく、
環境が優しくなるのを願うのでもなく。
自分がどう在るかを、自分で決める。
あの捨て台詞は、皮肉にもそのことに気づかせてくれた一言でした。
環境は変わらなくても、私は残ると決めた
上司が理解者になったわけではありません。
環境が大きく変わったわけでもありません。
それでも私は、この職場に残っています。
誰かに変わってもらうのを待つより、ここで働き続けることを選んだから。
これが『覚悟』ということなのかな。
どんなことがあっても、ここで働き続ける覚悟、それが自分軸となっていった感じです。
ここで働き続けることを選んだ要因は、たくさんある。立地条件や、収入面、私がやりたいことがある程度バランスよく出来る環境だったこと、、、
だけどそれ以上に、悪阻の中で呼び出されたあの日も、育休明けに捨て台詞を言われたあの日の感情、経験も、無駄にしたくなかった。
この経験を昇華させるために、残る選択をしたのかもしれません。
今まさに苦しんでいるあなたへ
もし今、あなたが「雇った時と話が違う」「そういうことなんじゃないんですか」と、似たような言葉を投げかけられているとしたら。
時代錯誤な「だから女性は…」という言葉に悔しさを感じているとしたら。
その言葉に、理解や優しさが含まれていなくても大丈夫です。突き放されたと感じたその瞬間が、あなたなりの覚悟に変わる日が、きっと来ます。
/
あなたは今、何を引き受けようとしていますか?
\

